親には理解できない子供の金銭感覚(その4)
(その3からの続き)
前回(その3)までで、子供の成長と自分には理解できない金銭感覚のズレについて、だいたい書きました。
どうせここまで書いたのならば、なぜこのような金銭感覚のズレが生じてしまったのかまで掘り下げて自分なりに分析したいと思います。
ここから先は箇条書きが中心です。
なぜギャップが生じるか
自分(私)が極端なケチであった
自分はケチだと思います。無駄なものに一切お金をかけたくないのです。
その分を貯金し、子供の将来の教育費や投資にまわして資産運用をしたいのです。
物を買う際は「必要かどうか、コストパフォーマンスは良いか、家に代替できる物はないか」を考えてから買います。
商品に付けられている値段のうち、何割かは売り主の利益になるかと思うと、必要もない商品を買うことは敗北感を感じました。
その必要性のない買い物、敗北感を感じる買い物が、子供のおもちゃだったのです。
おもちゃは子供の成長とともに、ゴミとなる
おもちゃを完全に物として考えるならば、子供の成長とともに飽きがきたり、遊びの対象年齢からも外れてしまい、場所を取るためゴミとなります。
もちろん、もらった時の喜びや遊んだ思い出は消えるものではありませんが、純粋に物として考えるならば、悲しいですが最後はゴミとして捨てることになります。
気持ちとしては全部取って置いてあげたいのはもちろんですが、実際には成長とともに新しいおもちゃ、ゲームの方で遊ぶため、古いおもちゃでは遊ばなくなります。
親として、また少なくとも子供よりは知識・経験のある大人として、買ったおもちゃの行く末がわかっています。ゴミ以外にも中古リサイクル(売る)、知り合いに譲る等の選択肢はありますが、いずれはお別れの時が来ます。
自分がケチということもありますが、遊び飽きたおもちゃの行く末がわかっているので、無駄なものに見えてしまいました。
人間に備わっている本能、物欲の強さ
我が子とはいえ、やはり自分とは違う他人だと言ってしまえば元も子もないのですが、買い物の場面にでは、親として自分なりにお金の(無駄遣いをしない)必要性・有効な使い方を説明していました。
でも特に小学校入学前は伝わらなかったと思います。
この年齢ではどんなにわかりやすく説明しても、理解できないのです。
人間の本能というか、基本的な欲求である物欲は百の言葉よりも勝ります。
大人になるにつれて、経験や学習によってコントロールできるようになる欲求・物欲は、子供の段階では理解もできないし、コントロールできません。
売る側の圧倒的な強さ
おもちゃ・ゲームを売る立場にある、メーカー・広告代理店・小売店はありとあらゆる手段・知恵や工夫・企業が得た長年のノウハウを使います。
マーケティング、企画・開発、テレビ(売るキャラクターが主人公)等を活用して徹底的に宣伝して購入意欲を上げ、消費者に買わせます。
おもちゃ売り場等の小売店もたくさん売れるように徹底的に売り場で宣伝し、買ってもらうようにうまく工夫して陳列します。
そのターゲットは免疫も知識も人生経験もまだない、まだ幼い子供達です。
テレビ等で充分に洗脳され、本能のように欲しい欲求に満ちあふれた子供をおもちゃ売り場に連れて行くということは、もう完全に相手の思うツボですよ。
だから仮面ライダーシリーズや戦隊シリーズ、プリキュアはビジネスモデルとして何十年も続いているんです。
(少なくとも私は)そんなことも知らずに、ネギを背負ったカモのように我が子をおもちゃ売り場を連れて行っていたのです。
おもちゃ売り場に行った時点で、すでに勝負はついていたのです。
今は、ある程度子育てに余裕ができ、この時の自分の気持ちや状況を振り返ってみると、この「理解できない金銭感覚」というのは、
今まで箇条書きで説明したこれらのことだったと思います。
・自分自身がケチであった
・おもちゃは子供の成長とともに、物としてはゴミとなる
・人間に備わっている本能・物欲の強さは、子供はとても強い
・売る側(企業)の圧倒的な強さ
これらのことを自分はわかっていないため、
自分が持っている金銭感覚と、いくら説明しても理解しない我が子の(自分から見て無駄に思えた)おもちゃを次々に欲しがる感覚・行動が非常にストレスでした。
おもちゃ売り場は自分の財布からお金を奪っていく場所、本当に敵でした。
悪いのは子供ではない
もしこのブログを読んでいただいている方々で、これから家族を持つ方や、小さいお子さんをお持ちの方がいましたら、参考になる点は参考にしていただき、賛成できない点は反面教師として活用していただければと思います。
小学校高学年くらいまで成長すれば、説明すると理解できるようになりますが、
3歳~9歳くらいまでは、お金や買い物についてどんなにわかりやすく説明しても理解できません。
一方で、親としても子供がおもちゃを買ってもらって喜ぶ姿を見たいのは自然なことです。
この期間は親にとって、お財布の紐がどうしても緩んでしまう避けられない期間です。
自分の反省ということもありますが、世の中の仕組みと、子供の成長過程の自然な感情・要求として諦め、ストレスをためないように成長していく子供とともに楽しんで頂けたらと思います。
親には理解できない子供の金銭感覚のテーマとしては、いったん終了します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(自分の金銭感覚も書いてみました)