洗脳された消費者になってはいけない
この日本は資本主義経済です。資本家が企業に出資して、企業はその資金を元手に経済活動を行って利益を得ています。
分かりやすくするため、その企業は自動車メーカーだとしましょう。
メーカーはその利益から材料費や光熱水費、人件費などの経費を支払い、残った利益を出資者(資本家)に配当し、更に今後の企業活動拡大のために新型車の開発や生産数を増やすために工場を増やします。全ては利益の拡大のためです。
でも、自動車メーカーは他にもたくさんあります。競争相手がいるのです。
このため、自動車メーカーは競争相手に勝つためにテレビや雑誌、ネットにコマーシャル(広告)を出したりして、いかに自分たちの車が魅力的かを宣伝して買ってもらおうと努力します。
だからテレビや雑誌には、いろんなメーカーの広告であふれています。
テレビ局や雑誌の立場としては、自動車メーカーは大量に広告を出し、たくさんお金を払ってくれる良いお客さんです。
このためニュース記事等であまり自動車メーカーの悪口は言えません。せいぜい事件や不祥事の事実のみを記事にして、それ以上のことはあまり追求しません。
(政治に対する批判的な記事とは大違いですね)
大量の広告を出してくれる広告主なので、あまり悪いことを記事にして書くと広告を出してくれなくなるからです。
このため、自動車メーカーに好意的な記事を時々書いたりして、自動車メーカーの販売に協力したりもします。
特定のメーカーだけでなく、「最新の自動車はこんなに進化!!」「子育てに最適なミニバン!!」みたいな自動車メーカー全体の売上げにつながるような特集記事もボーナス時期には書いたりします。
こうして消費者はあびるようにCM・広告・宣伝記事を見せられた結果、頭の欲しい物リストにインプットされます。自分もそうですね。
心要があって自動車を買うのであればいいのですが、やっかいなのは何度も広告を見るうちに、なぜが「車が欲しい」という意識や欲望が生まれます。
必要性があっての「車が欲しい」ならばとても合理的な判断ですが、必要がないのに「車が欲しい」という欲望は厄介です。
特に高額な車であるほど、魅力的です。
(魅力的だから高額なのか?)
自動車はもちろんのこと、その他の何でもそうですが必要性がないのに「欲しい」ということが結構ありますよね。
まとめると
・必要があって欲しいもの →買うべきもの
・欲しくはないけどじ要なもの →買うべきもの
・必要ではないけど欲しいもの →買うべきではない
と整理できるのではないでしょうか。
また、自動車を例にすると、買うかどうか迷っている時にディーラー(販売店)に行って商品を見に行くのは止めたほうがいいです。
あの手この手で買わせようと、腕ききの営業マンが手ぐすね引いて待ち構えているからです。
メーカーや販売店サイドとしてはどうすれば客に買ってもらえるか、
・マーケティング
・大量の広告
・行動心理学
・営業テクニック
・交渉テクニック
・マイカーローンや残価設定クレジットなどの支払い制度
・リボ払いや定額払いなど、支払額を安く見せかけるテクニック
など、どのようにして消費者に買わせるかを研究し、その長年のノウハウを研修で販売員に叩きこみます。
また、販売店同士で販売数を競争させ、各販売店の販売員にもノルマを負わせてお互い競争させ、あらゆる努力とテクニックで消費者に買わせようとしています。
そんなところに何も知らない消費者がノコノコ行くと、気がつけばいつの間にか「契約前の価格交渉」に進んでしまいます。
買おうかどうか、とりあえず車を見に行ったはずが、いつの間にか「この値段で買うか買わないか」にすり替わってしまいます。不思議ですね。
投資家ウォーレン・バフェットの格言がこのまま当てはまるかわかりませんが「髪を切るべきかどうか、床屋に聞いてはいけない」のと同じように、買い物するときには自分自身で「必要かどうか」を決めた上でお店にいくのがいいと思います。
「欲しい」という気持ちだけで買い物すると「買い物による満足感」を一時的に得られますが、しばらくすると後に残るのは大して必要のないものです。
当たり前ですが買い物した分だけお金は失ってしまいます。
スーパーで売っているような物はほとんどが必要品ですが、それよりも高い買い物は必要な物」か「欲しい物」か、冷静に自分で判断してから買うのがいいですね。
物欲を前になかなか難しいのですが、高い買い物をする時は、まずは熱が冷めるまでしばらく時間を置いたほうがいいですね。