東京オリンピックボランティアについて
こんにちは。このブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今回は東京オリンピックボランティアについて、思うまま書きたいと思います。
よく、「はちま寄稿」とかのサイトを読んでいるのですが、このオリンピックのボランティアの募集内容と、その勤務(?)条件がひどいと話題になっているみたいですね。
自分はごく普通のサラリーマンです。労働の対価としての正当な権利として、賃金を受け取る労働者のひとりとして、このオリンピックボランティアについてちょっと言いたいです。
ただ、自分は法律家ではないので、労働基準法とか過去の判例とか詳しくないので、もし内容に間違いがあったらごめんなさい。
まずはボランティアと労働の違いをネットで調べてみると、以下のとおり定義されているようです。
ボランティアの定義とは
労働の定義とは
労働基準法第9条では「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義される。
また、使用者の指揮命令を受けて労働力を提供し、その労働の対価として賃金を支払われる者は、本条でいう「労働者」に当てはまる。契約の形や名称にかかわらず、実態としての雇用契約(民法第623条)が締結されていると認められるかどうかが基準となる。
(良い出典が見つからず、「ウィキペディア」より(笑))
オリンピックで募集するボランティアの活動内容
(勤務内容とはいわず、あえて「活動内容」となってますね)
公式HPより書きだしているので、少し説明文をまとめてますが、間違いはないです
1 活動内容
・案内(外国語での案内あり)
・競技運営(運営そのものに携わる、とはっきり記載されています)
・移動サポート(車の運転そのもの、と記載されています)
・アテンド(外国語でのコミュニケーションサポート=通訳)
・運営サポート(大会関係者のIDの発行、スタッフの「チェックイン」受付等)
・ヘルスケア(ドーピング検査の検体採取、選手の医療搬送サポート)
・メディア(記者やフォトグラファーの取材の管理サポート、記者会見の準備・運営サポート等)
・式典(表彰式において、選手や大会関係者の案内。メダル・記念品の運搬等を含めた表彰式運営のサポート)
2 活動期間および活動時間(当然、雇用期間および勤務時間とは書かれてません)
・大会期間中及び大会期間前後において、10日以上の活動を基本
・休憩・待機時間を含み、1日8時間程度
3 活動の対価(もらえるもの)
・「東京2020大会 大会ボランティア」オリジナルデザインのユニフォーム一式(シャツ、ジャケット、パンツ、キャップ、シューズ、バッグ等。アイテムによっては、複数枚を予定)
・活動中の飲食
・ボランティア活動向けの保険
・活動期間中における滞在先から会場までの交通費相当として一定額(上限があり、1000円程度と検討中)
・オリオンテーション、研修及び活動期間中における滞在先までの交通費及び宿泊は、自己負担・自己手配となります
いやいやいや。
これってボランティアだから賃金はもらえないけど、でもその活動内容はもう立派な労働でしょう?
おそらくどの活動内容においても、参加するボランティアが自主的に活動するのではなく、運営責任者の指揮・命令の下(もと)に動く、労働そのものでしょ?
労働を活動と言い換えているだけで、内容は立派な労働ですよ。
労働の定義として賃金はもらわないから労働基準法上の労働者ではないけど、働く内容は立派な労働だと思いますよ。
本当にボランティアとして無償で働く(活動する)気持ちがあって、参加する人もいると思うけど、この活動(労働)内容からすると、労働の対価として堂々と賃金を要求すべきではないですか?
労働の対価は「ねぎらいの言葉」とか「やりがい」「達成感」ではなくて賃金ですよ。
オリンピックは成功してほしいけど
もちろん、オリンピックは成功してほしいと思います。
日本でやるからとか日本人だからとかではなく、スポーツは競技する選手だけではなく、見る人・応援する人・関わった人すべてに対して感動を与えてくれると思います。
スポーツは人間の身体能力のみを使って競争する、最も美しい戦いだと思います。
心から成功してほしいと思ってます。
でも、オリンピックの成功と今回の無償のボランティアは別の問題です。
成功してほしいからこそ、例えサポート(といっても運営そのものですけど)であっても運営に携わるスタッフは無償ではなくて、有償のボランティアや賃金を支払う労働者として、(賃金で働くプロとして)優秀なスタッフが集まって無事成功してほしいですよ。
ましてや春や秋とか涼しい気候ならともかく、ヘタすりゃ気温40度近い猛暑での、命がけの作業になりかねないですから・・・。
サラリーマン投資家として
自分は労働者であり、資産運用をしている投資家でもあります。言い方を変えれば労働者と同時に資本家です。
でも今回のようなオリンピックをきっかけに、特にまだ社会経験や労働基準法等の自分を守る知識の浅い高校生・大学生が、無償のボランティア(でも実態は労働)を何の抵抗もなく、何の疑問もなくタダ働きを受け入れてしまうことは、労働資本の「安売り、たたき売り」として社会実績を作ってしまうのではないかと思います。
一方で企業(株主・資本家)の立場として、人件費を最小限に抑えることは利益の拡大に直結するので望ましいことです。(スポンサーが商売として参加してますから)
もしかしたら、この無償のボランティアの献身的な活躍により、多少なりとも株価や配当が増えるかもしれません。自分も資産運用(投資活動)をしている以上、その恩恵を受ける立場だと思います。
それでも今回の無償のボランティアについて、自分でも納得できない危機感みたいなのを感じてしまうのは、
ほとんどの人は最初は労働者としてスタートし、人によっては無事定年まで勤めたり、また人によってはその賃金を蓄え、その資産を運用する投資家になったり、人によっては蓄えた資産を元に起業したりすると思います。
でもその最初の賃金の蓄えが、今より少なくなるとしたら恐ろしくないですか?
誰だって最初は労働者として、賃金をもらう立場として社会人をスタートするのがほとんどだと思います。
今回の無償のボランティアについては、オリンピックというあまりにもイベントの規模が大きく、社会に対する影響が大きいからこそ、労働力の大安売りのきっかけにならないかと危惧を抱いております。
特にこれから社会に出ていく高校生、大学生の方々、もしくは自分の子供たちがこのような活動内容(労働条件)で参加するとしたら、どう受け止めますかね。